分裂勘違い君劇場ANNEX

分裂勘違い君劇場に掲載した記事の続き、付録、脚注、補足などの置き場所です。

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている - 第四章



Amazonで位 (ビジネス)

この記事は、 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」できまっている』という本 の最初の5章をWeb化したものです。iPad/iPhoneでKindle版をご購入された方は、KindleアプリとiOSが古いバージョンだと、重要な図や絵がちゃんと表示されませんので、両方共、最新版にアップデートして下さるようにお願いいたします。挿絵イラストは(c) ヤギワタルさん 、キャラアイコンは しらたさん の作です。書籍版と若干異なる部分があります(書籍版はモノクロ)。書籍版の 正誤表はこちら

学生と社会人では人生ゲームのルールが根本的に異なる



運はコントロールできない。
「どうなるかは、神にゆだねるしかない」と言う人がいるが、実際には、たとえ全知全能の神であっても、運はコントロールできない。
なぜなら、コントロールできてしまったら、それは、もはや運ではないからだ。
運は、「原理的に」コントロールできないのだ。

しかし、思考の錯覚と運を運用することで、成功確率を上げることはできる。
ポイントは、「成功すると、次の成功の確率が上がる」という点だ。
たとえば、ある起業家が、1つのサービスをヒットさせたとする。

すると、ハロー効果によって、人々は、その起業家が全体的に優秀だと思うようになる。

このため、実際には、その起業家が出す次のサービスがヒットする可能性が低かったとしても、

人々は、その起業家が出す次のサービスもヒットする可能性が高いと錯覚する。

それによって、この錯覚に惑わされた人々が、勝ち馬に乗ろうとして、ワラワラと集まってくる。

多くの投資家がこぞって投資しようとするので、潤沢な資金が集まる。
多くの優秀な人材が、成功の分け前にあずかろうと集まってくるので、人材も選び放題だ。
メディアも、次のサービスに注目し、積極的に記事やニュースを書いてくれる。
ユーザも、次のサービスも面白いんじゃないかと期待して、積極的に使ってくれる。

この状態になると、たとえダメダメなサービスだったとしても、優秀な人材がよってたかってサービスを改良して、よいものにしてくれる。
たとえサービスがダメダメで鳴かず飛ばずだったとしても、潤沢な資金があるから、成功するまで、何度でもやり直せる。

このようにして、思考の錯覚は、成功者の成功確率を、一般人の何十倍、何百倍も高くするのだ。

よく「失敗は成功の母」などと言われるが、実際には、成功のほうが、はるかに成功の母だ。次の成功を、どんどん生んでくれる。
なぜなら、ユーザも、投資家も、エンジニアも、メディアも、「成功は、運ではなく、実力によるものだ」と錯覚するからだ。
錯覚が、成功スパイラルを作り出すのだ。

プラシーボ効果が、単なる錯覚にもかかわらず、現実に病気を治癒する効果があるのと同じように、思考の錯覚は、単なる錯覚でしかないにもかかわらず、現実の成功確率を飛躍的に上げる。

受験勉強では、思考の錯覚の入り込む余地は少ない。
ハロー効果のおかげでテストの点数がよくなったりはしないからだ。
また、運に左右される割合も少ない。
だから、一般的には、成功・失敗を決める要因は、こんな感じになる。

しかし、ほとんどの社会人の場合、成功・失敗を決める要因は、こんな感じになる。

社会人の仕事の多くは、受験勉強よりも、はるかに不確実性が大きく、運に左右される変数が多いし、錯覚資産の多寡で結果が大きく左右されるからだ。
つまり、学生と社会人では、ゲームのルールが根本的に異なるのだ。
学生のうちは、勝敗は、錯覚資産など関係なく、かなりの部分、実力だけで決まる。
しかし、社会人になったら、錯覚資産を持つ者は、人生はイージーモードの神ゲーになるが、錯覚資産を持たざる者は、人生はハードモードの糞ゲーになる。

錯覚資産なんて、詐欺じゃん。
そんなもので、人を騙してまで成功したいとは思わないな。

なるほど。
それでは、次は、それについて見てみよう。



1章 2章 3章 4章 5章